夫婦不和に伴う「子供の連れ去り」問題。それが問題だとは思わなかった自分の感覚に驚いている。
東洋経済のこんな記事を読んだ。
実子の片親による連れ去り問題は、国際結婚をした日本人の妻が婚姻関係の破綻と共に、実子を日本に連れ去ってしまうというケースで話題になった。
でもよく考えてみれば、国際結婚でなくても同じである。結婚の形態がどうであれ、配偶者の了解なく勝手に子供を連れ去る。それは紛れもなく「誘拐」だと思う。
しかし私は今まで、そんな風に考えたことは一度もなかった。
だからこの記事をよんでハッとした。
私はこれまで、母親が何らかの理由で家を出るときは、子供を連れて行くのは当然なことだと思っていた。寧ろ子供をそのまま置いていくことに、強い反感を持っていたくらいだ。
80代の母はよく言っていた。
「そもそも男に子育ては無理。できるはずがない。だから母親は子供を連れて行かなくてはいけない。」
「男はいつまででも自分の子供を持つことができる。でも女は違う」
すごい論理だと思う。
男性だっていつまでも子供ができるわけではないし、子育ての得意不得意があるのは男女ともに同じだろう。
随分と一方的に決めつけるものだと思うが、少し前まで私も同じように思っていたのだから、そう主張する人を責めることはできない。
「男尊女卑」というものは、女性が何かと制限を受け不利益を被ってきたように言われるが、それと同時に女性が担ってきた責任や行為について、男性が口をはさむ事が許されない風潮も生んだ。
男が台所に入ってはいけない。
男が買い物をするなんて格好悪い。
子供にあれこれ構うのは男の仕事ではない。
家庭のことを優先するとは何事か。
今ではとんと聞かなくなったセリフの数々だが、少し前までそれが普通だった。その頃の習慣が、まだ意識の中に残っているのだと思う。母親による実子の「誘拐」は、昔の(今も多少残っている)男尊女卑の名残だろう。
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戦前から現在まで、離婚の際に子供をどちらが引き取るか。それは時代によって変わる。しかし母親・父親の違いはあっても、いつもどちらかの力が強く、片方の親に発言権が無きに等しいのは同じだ。
それなら「共同親権」にすればいいではないか?ハーグ条約批准国の多くは、すでにそうなっているようだ。
しかし…
頭ではそれが良いと分かっていても、感情がついて行かない。
何故なら共同親権は、離婚した妻や夫の現状を、子どもを介していつまでも知ることになるからだ。
これは精神的にキツクないだろうか?
私だったら、参ってしまうと思う。 子どもの成長に関わる大人は一人でも多い方が良い。子供の気持ちもある。親が強制的に片親を奪ってもいいのか?とも思う。
しかし…。
別れた夫の現在など、できれば知りたくはない。
(離婚はしていませんが)
長くなりそうなので、この話、次回に続きます。